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ありがとう

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 12時過ぎにタオが亡くなりました。

 病院から容態急変の電話があってすぐに向かったんですが、病院に着いたときはもう人工呼吸器と心臓マッサージ状態でした。
 抱きかかえて「タオ。おうちに帰るぞ!」と耳元で大声をだしたら、一瞬だけ意識が戻ったみたいでしたが、そのままいってしまった。
 治ることを信じて向き合っていたんですが、ダメでした。
 病院に行った時から生きているのが不思議なくらいだといわれましたが、どこかで回復を信じていた…。

 いまは家に連れ帰ってきて、こうやってデスクに向かっているぼくの背後で、ヒカルと一緒にベッドで寝ています。

 治ると信じている一方で覚悟もしたいたんですが、朝には昨日よりも調子がよくなっていたので、なんだかよく分かりません。信じられないし、現実感がない。
 苦しまずに一気に亡くなってしまったのが救いですが、まるで寝顔みたい。
 抱いてやってもまだ暖かいんですが、少しずつ冷たくなってきてるので、本当に亡くなってしまったのかも。

 あんな数値なのによく頑張ったと先生が言ってくれた。
 しかし全く数値を下げることができなかったから、何もしてあげられなかったとも…。
 そんなことはなくて、凄く心強かったです。
 人見知りで、人嫌いなタオでしたが、先生以下、病院のスタッフの方々に1回も唸らなかったから、タオもみんなを信じていたんだと思います。
 ありがとうございました。

 人工呼吸器を外されるタオを抱きかかえながら、ヒカルと2人で大泣きしてたら、先生からタオとの出会いを聞かれた。
 インターネットが一般に広まるパソコン通信の時代に、友達から里親を探してる犬がいるよと教えてもらって、見に行って、そのまま貰ってきたのがタオなんです。
 そしたら先生が「これだけ時間を取って、これだけ泣いてくれる飼い主さんに出会えたのだから、タオは幸せでしたよ」と言ってくれた。
 タオが幸せだったかどうかは分からないけど、少なくともぼくは、タオに出会えて幸せだった。

 おっちょこちょいのバカ犬だから、秋になって涼しくなったら一緒にドライブに行く約束を忘れて、間違って死んじゃったのかも知れない。

 でも昨日だったら、急に電話があっても病院に駆け付けることはできなかったので、ちゃんと土曜日まで待ってくれた。タオは優しい子だったから、気を使ってくれたんです。
 ここで回復しても、入院や点滴が続く事は間違いなかったので、そんなのタオも嫌がったでしょうし、そういう負荷をヒカルやぼくにかけない様にと考えてくれた気もする。

 病院では死なせないつもりでしたが、それは叶わなかった。できれば家で看取ってやりたかった。
 でも、ちゃんと看取ってやるという約束は果たしました。

 ヒカル、ありがとう。

 色々と、ことばをかけてくれたみなさんもありがとう。

 そしてタオ。ほんとに色々ありがとう。
 さっきから書いたり消したりを繰り返しているんですが、悲しいし、残念だし、寂しいけれど、ありがとうという言葉しか見つからないんですよね。

 クソ犬のバカ犬のへたれだったけど、なにしろタオは最高の犬であり、家族であり、友達で、どこに行くにも一緒の相棒でした。

 散歩してる姿も、ご飯を食べてる姿も、宅急便の人に吠えてる姿も、水を飲んでいる姿も、車の窓から外を見ている姿も、寝ている姿も、ボール投げして遊んでいる姿も、カメラを向けると嫌がってそっぽ向く姿も、オシッコしてる姿も、うんちしてる姿も可愛かったし、犬臭い匂いも可愛かったし、家に帰ると喜んで飛びついてくる姿も可愛かった。
 何しろ全てが愛しかった。

 ほんとうに、どうもありがとう。

=====ここから追記

 お清めでベロベロです。
 ぼくが家で吞んでると、横から「つまみちょーだい」と、ちょっかいを出してくるタオでしたが、いまはタオの亡がらを見ながら吞んでます。
 本当ならちょうど今頃、タオを病院に迎えに行って帰って来てるころだったので、なんだかまだ病院にいて、迎えに来てくれるのを待ってる様な気分もあるんですが…。
 それに週末は清潔な環境でたっぷり面倒みてやろうと、タオのベッドから布団から何からなにまで一気にヒカルが洗濯してくれたので、いまそれを乾かすための乾燥機が回ってるのも滑稽ですよね…。

 枕元にケムの写真を飾ってやりました。
 好きだったドギーフード置いて、水を置いて、お気に入りのおもちゃを置いて、母犬の乳首の面影を追って仔犬みたいにチュパチュパやるのが好きだったぼくのハンドタオルも置いて、ロウソク立てて、お線香に火をつけて、ちゃんと手を合わせたら、ちょっとだけお別れする心の準備が整い始めました。

 でもまだ全くダメ。タオとぼくとの13年、タオとヒカルとの10年が、数時間で片付くわけもない。

 子供の頃からのタオの写真を見て、色々と話しかけて、なでて、抱きかかえてるんですが、どんどん冷たくなって、あれだけ愛しかったタオの匂いまでがどんどん薄れていくのがとても悲しい。

 タオに会ったこともある人からはタオに吠えられたとか、一緒にうちでご飯食べたとか、散歩してるのを見たとか、たくさんのメールや電話ありがとう。
 タオに会ったことない人からも、ゲームに登場してたとか、ブルグで写真見てたとか、メールでお悔やみのことばをありがとう。
 でもいまは返事する気分にもならないのでごめんなさい。

 当然、悲しみや、死なせててしまった悔しさや、後悔もあるんですが、それよりなにより、ほんとうにタオと出会えてよかったという感謝の気持ちが強い。
 完全な自分都合の解釈ですが、こうやってゆっくりお別れできるのは、週末まで持ちこたえてくれた、タオからの最後の贈り物なんです、きっと。

 色々と、どうもありがとう。