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 ご飯をほんの一口くらい残す女子が嫌いでした。
「そんなちょっと残さず食べればいいじゃん!」
 と思っていたんです。

 初訪問のお店が意外に大盛りで食べられなかったとする。百歩譲って、それは仕方ないとしましょう。
 …でも何度も通ってるお店で、いつもご飯を一口残しているのは許せん! ご飯を作ってくれた農家の人の気持ちを考えるとかよりも、単に資源とエネルギーのムダが気に入らない。
「いつも一口残すのなら、注文するときに「ご飯を軽めで」と言えばいいじゃん!」
 と思っていたんです。

 それに美人で聡明で可愛くてステキな女性で、更には食事中の所作が美しくエレガントでセクシーでキュートでも、ご飯一口残すだけでなんだか随分と安っぽく下世話な気がしちゃう。
「残念だなー」という感じ。
 当然の様にご飯を一口残すその姿を見ただけで百年の恋も冷める。
 多感な年頃なんです。

 そしたらお腹いっぱいで食べられないから残しているわけではなかった。
 一口残すことを続ければ、それが積もりに積もってダイエットになるとか、なんないとか…。

 これを知った時には
「やかましい! 一口食べて太って成人病になって早く死ね。毎日毎日三度の食事で一口残し続けて長生きしたら地球がかわいそうじゃ!!」
 と思いました。

 …が。

 ある時、気付いてしまったんですね。人のこと言える立場じゃないと。

 ぼくは自称ラーメン王なのでラーメンをよく食べますが、スープまで飲み干して完食することはまずありません。
 だって途中で飽きてくるし、さすがに毎回スープまで飲み干し完食していたら塩分過多。それにラーメンスープって量があるから、さすがに飲み干すのは厳しい。

 はいそうです。これってご飯一口残す女子と同じです。

 別にダイエットのためにスープ残してるわけじゃないですが、いつも通ってる馴染みのラーメン店で、いつもスープを残すのだったら「すいません。スープ少なめで」って言えばいいわけです。

 でもなんだか、たっぷり&熱々のスープの中で麺が泳いでるのがラーメンの正しい姿なんだよなぁ。スープ少なめにしてもらえばスープまで完食可能でしょうけれど、少ないスープの中で泳ぐこともできずにいる麺は興醒め。
 スープ半分にすると、美味しさまで半分になる気がする。

 昼ご飯を一口残しながら、そんなことを考えた今日の昼食。
 仏壇に供えるご飯なども、さすがにカピカピになって食べられないから捨てるでしょ。あれもムダなのだけど、そこにムダを感じなかったりするので、自分の感覚なんかすごいいい加減。

 一口残ったご飯はモグに上げました。
 なんにも味付けしてない白飯も大好きなんですよ、モグ。