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 20年くらい前のこと…。
 恵比寿で呑んだあとの〆は香月か恵比寿ラーメンというのが定番だった。
 その後恵比寿ラーメンは六本木に移動し、さらにどこかに移動してしまってから食べていない。
 一方で香月はずっとこの場所で営業を続けている。

 さすがに呑んだあとの〆で食べることは減ってしまったが、それでもぼくにとっては懐かしい味。
 今でも年に数回は食べに行くのだが、半年振りくらいに行ったら大掛かりなリニューアルしたのか色々と激変していた。

 驚いたのは食券を先に買うシステムが導入されていたことだ。
 人気絶頂の当時は店内に10人くらいの客が並ぶことは日常茶飯事で、その注文をホールの係の人が全て暗記するのがちょっとしたパフォーマンスだったのだ。
 単にらーめんの注文を覚えるだけではない。
 モヤシ、昆布、玉子、メンマ、バター、焼豚、のり、コーンなどのトッピングがあり、さらに麺の硬さや、味の濃さ、脂の多少など、人によって注文は色々なんである。
 それを10人分まとめて暗記して、さらに注文した人がどの席に座ったかも暗記して、会計時には何を食べたが覚えていてその場で瞬時に暗算してくれる。
 きっと100回くらいは香月でらーめんを食べているが、注文や会計で間違われた記憶がない。
 ある意味芸の領域にまで高められていたのに、食券機導入はちょっと残念。税金云々の問題で行政指導が入ったのかも。

 次に驚いたのは丼。
 20年くらい前からずっと洗面器型の大きくて底が浅いタイプの丼だったのに、小さくて深い丼に変わっていた。
 熱々の大量のスープがお店の特徴だったのに、それが普通になってしまったのはちょっぴり残念。
 もっとも前の丼ではスープを残す人が多かっただろうから、こっちの方がエコではある。今のご時世に合わせたんでしょうね。

 次はメニュー。
 元々は醤油らーめん一本で、100円のトッピングと150円と200円のトッピングが10数種類だった。
 それがいつの間にか味噌らーめんや、塩らーめんが増えて、さらに辛いらーめんや、つけ麺まで増えて、餃子なんかも大ぶりのモチモチ系と、小ぶりのパリパリ系の2種類あったりして、さらに麺が太麺と細麺を選べたりしてどうにもなんだか、何がオススメなのか分からなくなっていた。
 それがメニューがスッキリと絞られて半分以下になっていた。
 これはとっても潔くて好印象。

 次は卓上調味料。
 今も昔も醤油、ラー油、お酢、胡椒、一味、ニンニクは置かれている。
 しかし少し前(前回の訪問)までは、他に豆板醤、胡麻、揚げネギなども置かれていたので、こちらもスッキリと絞った様子。
 揚げネギ入れるとコクが増して旨かったので、なくなったのは少々残念ではありますが、これもどっちかといえば好印象。
 商品を絞り込むというのはAppleに通じる戦略だと思ってみたりみなかったり。

 

 …で、本題のらーめん。
 ぼくはほとんどいつもモヤシ昆布。
 ここはぼくには若干塩気が強いので、モヤシをトッピングして、モヤシの水分で薄まって丁度いい感じ。
 今も変わらず麺の硬さと、味の濃さと、脂の量は指定できるので、味薄目でオーダーすればいいんですが、それだとなんだか負けた気がしてねー。
 ところがデフォルトが薄味になったのか、モヤシトッピングすると、やや薄味すぎる感じになっていた。

 それと、ヤバいくらいに熱々なのもこのお店の特徴だったのに、若干熱々でなくなっていたは残念。

 他は今までと変わらず。

 ぼくの記憶だと、背脂らーめんは、東京だとここと環七の土佐っ子が走りのはず。キリッと醤油がたった淡麗系のスープを背脂がまろやかにして、低加水のポッキリ系の麺にスープが染み込んで旨い。

 しかしなんというか諸行無常ですな。

 ご馳走さまでした。

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