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 去年の5月に痛風の発作で病院に駆け込んだ。
 その数ヶ月前から足がつるみたいな感覚があったんですが、ある朝、起きてベッドから降りようとして床に足をついたら激痛でそのままひっくり返った。
 歩けないどころか、それこそ「風が吹いても痛い」状態だったのでタクシーのバックシートに横になって移動。病院に到着してからは車椅子。

 冷静に考えれば寝ている間に複雑骨折するわけないんですが、そういう奇病もあるのかも知れないと思って整形外科へ。
 レントゲン撮ったらなんの異常も見当たらず、血液検査したらその場で「痛風」と診断された。
 尿酸値が9以上で痛風の発作が起きる可能性があるそうなんですが、ぼくは11を越えていた。
「こりゃ、痛風にもなりますよ」
 と医者に言われた。

 その後の1ヶ月の断酒と、粗食生活と薬でほぼ完治。そして松葉杖生活。
 徹底的な食事療法やったので「1ヶ月でこんなに症状が改善するのは凄いことですよ」と先生に褒められた。

 ぼくの闘病生活が終わった直後の去年の6月に、持病の腎臓の関係でタオの前立腺膿疱の手術。あまり長く散歩に連れていけないなど、何かとタオにも負荷をかけたことが原因だと思う。
 そして今年になって急にタオの目が真っ赤なので夜間病院に行って、次の日に眼科専門の動物病院で診察受けたら網膜剥離と診断されてタオが失明して、その後にタオが不調で病院に行って、その後にタオの医療用のドギーフード(腎臓アシスト)のピックアップで病院に行って、その後はタオの不調で点滴で毎日通院して、そして10月24日にタオが亡くなってしまった。

 …なので、この1年半は、病院といえばタオ関係ばかり。自分の健康管理にまで気が回らずに過ごしていた。

 10月末にタオが亡くなって、11月は外に出る気も人に会う気もせず、仕事の外出以外はほとんど家に引き篭もっていたんです。

 しかし12月になって、ぼちぼち人に会ったり、呑んだりを再開したら、急にシンガポール出張と沖縄出張が決まって、さらには12月だけで個人的&仕事的な呑みの約束が連日連夜になった。
 声をかけてもらうのが嬉しいので誘われれば出掛けるし、出掛けたら「明日もあるので今日は軽く」みたいなことはいわずに深夜早朝までは徹底的に呑むストロングスタイル。

 薬も呑んでないのに、こんな生活で大丈夫なはずがない。案の定サインが出た。

 だいたいどの程度悪くなってるのかは分かるので、薬だけ処方して欲しくて日赤に電話。
 すると最後の通院が1年以上前なら、ちゃんと診断しないと薬は処方してくれないとのこと。

 忙しくて時間ないんですが、仕方なく日赤へ。

 メインロビーの端末で内科の外来受付を済ませて登録用紙をゲット。
 次ぎに内科の病棟へ移動し、そこの受付に登録用紙を渡す。
 すると
「初診ですね?」
 と聞かれたので
「去年の5月に痛風になって、1ヶ月くらい通院していました。なので初診ではありません」
 と伝えると、受付の人が端末であれこれ調べて
「前の通院は整形外科だったので、内科は初診扱いになりますが、いいでしょうか?」
 と聞かれる。

「いいでしょうか?」と聞かれても「嫌です」とも言ってられないので「いいです」と返答。

 すると初診ということで問診表みたいな用紙を出されたので、それに記入。
 その用紙を渡すと
「前の先生は整形外科の先生なので、今日の内科の先生は別の先生になりますが、それで構いませんね?」
 と、さらに聞かれる。

「前はたまたま整形外科だったんですが、尿酸値が高くなって痛風っぽくなってる気がするので、前と同じ薬を処方して欲しいんですが、痛風だったら整形外科じゃなくて内科ですよね?」
 と確認すると、そりゃそうだということになり、順番待ち。

 30分後くらいに名前を呼ばれたので、受付の奥の、診察室手前のウェイティングスペースで再び待ち。

 やっと名前を呼ばれたので診察室に入ろうとしたら
「西さんのカルテは整形外科の方にありまして、やっぱり前の先生が継続的に診察した方がいいということなので、お待たせして申し訳ありませんが、整形外科の方で診察を受けてください」
 と言われ、たらい回しにされる。

 隣の整形外科の病棟へ移動し、受付で「内科からこっちに来るように言われました」と伝える。
 すると
「どんな症状ですか?」
 と聞かれたので
「去年の5月に痛風の発作で診察を受けたのですが、そのときと同じ感じなので、尿酸値を下げる薬を処方して欲しくて来ました」
 と伝えたら
「痛風だったら内科じゃないですか? こちらは整形外科なので、骨折などが主な症状になりますが…」
 と言われる。

 そりゃそうだ。痛風の発作の痛みを複雑骨折だと勘違いして、最初に整形外科に行ったぼくの判断が間違ってた。しかも間違ったまま対応の上書きが続いている。

 事情を説明すると、再び問診表を渡されたのでそれに記入して順番待ち。

 ここは隣が婦人科になっていて、患者への配慮がある。
 ぼくがいる整形外科や、他の全ての病棟の順番待ち患者用のベンチシートは全て受付に向いてるのに、5メートルほど先の婦人科の順番待ち患者用のベンチシートは、こちらと受付に背を向ける方向で並べられている。
 だからちょっと異様な雰囲気で、そこにいる人は、みんなこちらに背を向けていて、悪いことした人っぽく見える。
 しかしその方が、顔を見られずに気楽なんだろうな…。

 名前を呼ばれたので受付奥の診察室前のスペースに移動。
 そこで再び順番待ち。

 やっと順番になって診察。
 呑み過ぎると足に違和感が出るので、そうなったら自重して大事に至ることなく過ごしてきたことを伝える。
 しかしこの忘年会シーズンど真ん中に出張が控えているので、出張先で不調になっても困るので、念のため薬を処方して欲しいことを伝える。
 すると…。
 再び血液検査しないと薬を処方してもらえないのかと思ったら、先生が覚えていてくれて、問診だけで処方箋を出してくれた。

「ありがとうございました」
 と言って診察室を出ると
「ほどほどに…」
 と、先生に言われた。
 普通なら「お大事に」なのに(^^;

 診察が終わって受付にカルテを渡す。
 すると精算表みたいなのをくれるので、それを持ってメインロビー横の精算カウンターへ。
 銀行みたいに機械が発行する受け付けナンバーを持って待っていると番号を呼ばれる。

 すると「診察料は421円なので、向こうの精算機で精算してください」と言われる。
 精算カウンターから精算機に回されるのって、システム的に意味不明なんですが、お年寄りが多くて、小銭で支払いとかに時間がかかるから、時短の為にこのシステムが導入されたんでしょうね。
 だったら整形外科で直接精算用のカードを渡してくれて、そのままダイレクトに精算機で精算できた方が効率いいのに。

 ここまでで病院に着いてから2時間半。

 病院を出て駐車場で車のピックアップ。
 5時間まで300円という駐車料金設定が嬉しいけど、外来往診で診察は5分なのに、それでも2時間半かかるんだから大変。

 車でメインゲートを出ると、そこには処方箋薬局が10店舗くらい軒を連ねている。

 そのうちで1番空いていた処方箋薬局へ。
 すると3種類処方された薬のうちの1つがないとのこと。
 隣も隣も処方箋薬局なので、薬がないなら他へ行こうと思ったら
「うちの支店が六本木にあるんですが、そちらでしたら、こちらにない薬があるので、六本木に移動するのでしたら、その様に手配しますが」
 とのこと。
 隣に行って、順番待って、それでまた薬がないとか言われるのも面倒なので、六本木店に薬をピックアップに行くことにする。

 しかし場所を聞くと、なんと六本木店はモロに六本木交差点。
 そんなところに車を停めることもできないので「やっぱりいいです」とお断りしたら、薬局の前に車を停めてから薬局に電話をすれば、担当者が薬を持って薬局の前に出てきてくれるとのこと。
 それなら問題ないと思って広尾から六本木に移動。(10分程度)

 たまたま店の前が空いてたのでそこに車を停めて、薬局に入り「西ですが」と伝えると、電話を待っていたのに勝手が違うといった慌てた様子で薬剤師の女の子が薬を手渡してくれる。
 支払いは日赤前の薬局で済ませているので、処方箋の受け渡しも、お金のやり取りもなく、瞬間的にむき出しの薬のやり取り。
 まるでドラッグの受け渡しみたいで怪しい。
 …っていうか、ドラッグの受け渡しなんだけど。

 しかし医療関係ってのは時間がかかりますね。
 5分の診察を受けて、薬を受け取るまでに3時間。

 それと診察料が400円程度で、90日分の薬で1500円程度ってのは安過ぎる。
 こんだけ安いのに医療関係の仕事してる人は(お医者さんなど)高額所得なんだと思うと、どんだけ保険がカバーしてるのかがよく分かる。
 保険ってのは税金ってことだから、これからの高齢化社会ってのは深刻な問題なんだと思いました。