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 タオが生きててくれてるときは、タオが待ってると思うから急いで家に帰った。
 なのでゆっくり歩くのは散歩のときだけ。

 タオが亡くなってからは、ゆっくりと世界に向き合う気にもなれなくて俯いて早足で歩いていた。

 カツシカーズを預かってからの3週間で一気にペースがタオの生前に戻り、何しろ外出しているときは一刻も早く家に帰りたいと思った。
 ケージの中で仲良く寝てるだけだから心配はないんだけど、それでも何だか心配だったし、お腹空かせてるだろうから早く帰ってご飯を上げないと思った。
「ニャー! ニャー!! ニャー!!!」と、ぼくのことをガン見して、全身全霊で狂乱の大騒ぎをしてご飯を求める。
 生命はいつだって、力強く、儚い。

 風と幸(a.k.a. カツシカーズ)の家族からビデオが届いた。うちにいるのと全く同じに、2人で取っ組み合いして遊んでいる。
 それを見ているとニヤニヤしてしまうので、頬が上がったままで痛いとのこと。親バカすぎるが、その気持ちは120%理解できる。理解できるというより、うちもそうだったから同じだ。
 撮り溜めた写真や動画を焼いたCDと手紙もとても喜んでくれた。
 1度は人に捨てられて処分されそうだったあんな小さな2つの生命が、周囲の人をニヤニヤさせて、そして繋いでいくんだから凄い。

 ふと気付くと、タオが亡くなってから8ヶ月。
 ふと気付くと、帰宅して玄関開けたらカツシカーズが「ニャーニャー」大騒ぎすることに慣れていた。さっき帰宅して、もういないことを実感した。
 ふと気付くと、iPhone4の予約スタート。法人名義の3Gと3GSが2台あるので、3Gの方を4に機種変予定。しかしどんな書類を揃えればいいのか分からん。SoftBankに電話してみよう。…でも白がいいから少し待ってもいいかな。
 ふと気付くと、紫陽花が満開。
 ふと気付くと、梅雨入り。
 ふと気付くと、もうすぐ43歳。
 ふと気付くと、カツシカーズばかり撮っていた。
 ふと気付くと、週末からモグのトライアルスタート。

 大雑把にいえば、犬でも猫でも女でも男でも大人でも子供でも、生きてればなんでもいいって気がする。
 大雑把にもほどがあるけれど。