2012 11 07 13 17 21

 水曜日の定例ミーティングが思いの外早く終わり、目黒で昼食後にバスで戻る。

 この時間のバスは乗車率10%くらいで空席あり。
 しかも老人や子供連れの女性が多くて、働き盛りのイケメン(ぼくのことです)には、テンポ感や空気感がユルすぎる。
 ユルいというかヌルい。
 なんだかとても眠くなるので、運転手さんの後ろの席に座る。

 他にも席が空いていたけれど、敢えて1番前の運転手さんの後ろの席を選んだ。

 なぜか?

 実はこの席は前輪のフェンダーがある関係で、階段2段くらい高い席なのだ。
 よって足腰の弱いおじいちゃんやおばあちゃん、それに子供や妊婦さんには推奨されていない席なので、働き盛りのイケメン(ぼくのことです)が座ってもよろしいのです。

 

 席に座ってぼんやりしていると2つ目くらいのバス停で、ハットを被って、仕立てのいいスーツを着たおじいちゃん(80歳くらい)が乗ってきた。
 それはいいのだけれど、このおじいちゃん、他に席も空いているのに、あろうことかぼくの真横に立って手すりに掴まった。
 足腰が弱っている風には見えなかったけれど、ヒザが痛かったりするのかも知れないと思い
「席、替わりますよ。どーぞ」
 と声をかけたら
「すぐに降りるので大丈夫だよ。お兄ちゃん(ぼくのことです)ありがとう」
 とのこと。

 あまり年寄り扱いするのも失礼だし、それを嫌がる人もいるので、無理に勧めたりせず席を譲るのはやめにした。

 

 …と。

 次のバス停で、おばあちゃんや、おばさんや、ぼくくらいの年齢の女性が数人乗ってくる。

 みんな運転手席のすぐ後ろなので、おじいちゃんと、ぼくのことを見る。
 そしてぼくを一瞥して
「ダメなイケメン(ぼくのことです)だな、こいつ」
 とでも言いたげな感じ。 

 どう考えても、年寄りに席を譲らずに、ノウノウと座っているイケメン(ぼくのことです)の図式だ、これ。

「席を譲るといったのに、このじいちゃんが断ったんですよ!!」
 と、真実を伝えたい気持ちが込み上げてくるが、別にクレーム入れられてもいないのに言い訳するのも馬鹿馬鹿しい。

 なんなんだ、この、小さな親切やマナーを踏みにじられた揚げ句に、席も譲らないダメ人間みたいに見られてる(と感じる)状況。

 

 …と。

 次のバス停で降りるおじいちゃん。

 なにこの、逆に置いてけ堀にされてる感じ。

 

 昼下がりのバスには魔物が住む…。
 本所の七不思議ならぬ、目黒のバス不思議でした。 

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